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カテゴリ:自律神経失調症の検査
自律神経失調症は概念があいまいなので診断が難しい病気です。
さまざまな角度から検査をおこなって、総合的に判断することが大切。
自律神経失調症と似た症状の「他の病気」が潜んでいることもあります。
自律神経失調症の診断においては、次の3点に該当する場合は、
自律神経失調症とみなされています。
(1)全身の倦怠感やめまいなどの不定愁訴がある
(2)器質的疾患(病変)や精神障害がない
(3)自律神経機能検査で異常がみとめられる
では、実際にどのような検査が行われるのか、
検査の大きな流れをみてみましょう。
1.面接
質問シートへの記入や医師との会話によって診断します。
自覚症状、他覚症状(医師の観察)、ライフスタイル、性格、など
2.除外診断
症状が他の病気によるものでないか、を検査するもの
心電図、レントゲン、CTスキャン、血液検査、など
3.自律神経機能検査
自律神経自体のはたらきに異常がないかを検査するもの
シュロング起立試験、立位心電図、マイクロバイブレーション、など
4.心理テスト
症状の背景にある心理的要因を探るための検査
質問シートへの記入という方法で行われることが多いです。
CMI、TMI(東邦メディカルインデックス)、SCL、STCL、など
それぞれの検査について、次回からくわしく紹介していきます。
カテゴリ:自律神経失調症の検査
自律神経失調症の検査の流れは、次の4つ。
(1)面接 ・・・・・・ 質問シートへの記入や医師との会話によって診断
(2)除外診断 ・・・・ 症状が他の病気によるものでないか、の検査
(3)自律神経機能検査 ・・ 自律神経自体のはたらきに異常がないか、の検査
(4)心理テスト ・・・ 症状の背景にある心理的要因を探る検査
まずは(1)面接 についてくわしく説明します。
自律神経失調症は診断の難しい病気。
正しく診断するには、病歴、症状の変化、今までの経過、普段の生活の様子、
仕事や家庭や人間関係などの生活環境を、医師に詳しく伝えることが大切です。
質問シートに記入した後に、
医師とのくわしい面接がおこなわれることが多いようです。
面接では、次のことについて聞かれます。
・いつ頃からどんな症状が現われるようになったか
・きっかけに心あたりがあるか
・どんな時、どんな状況で症状が現われやすいか
・症状が現われた時の気分はどうか
・過去にかかった病気があるか
・普段、飲むことの多い薬はあるか
・月経の状態、妊娠、出産、婦人科系の手術経験はどうか
・自分の性格はどうか
・ふだんの生活の様子はどうか(仕事・家庭・友人関係など)
・周りに同様の症状を持つ人はいるか
自分ではストレスと感じなくても、
実際にはストレスになっているものもあります。
たとえば、引越や転職、部署の移動、子供の入学、卒業、単身赴任、など。
ストレスは「イヤなこと」だけではありません。
転職や部署移動などで、「よしっ、がんばるぞ!」と本人は“やる気”があり
期待に胸ふくらませているようなことでも、ストレスとなっているケースがあります。
症状が現われはじめた頃の生活環境については、
ささいなことでも医師に話すことが大切です。
また、治療を進めていく中で、
家庭環境、嫁姑の関係、夫婦仲、仕事のこと、経済的なことなど
深くつっこんだ話をしていくようになります。
普通なら話したくない内容もあるでしょうが、
心のトラブルが大きな影響を与えているケースも多いので、
恥ずかしがらずに、安心して正直に話すようにしましょう。
次回は、自律神経失調症の検査(2)除外診断 について詳しく紹介します。
カテゴリ:自律神経失調症の検査
前回は、自律神経失調症の診断(検査)1.面接 について紹介しました。
今回は(2)除外診断 についてくわしく説明します。
除外診断とは、器質的疾患や精神障害の有無を調べる検査。
自律神経失調症と思われる症状の中に、ほかの病気が隠れていないか、を
検査するものです。
全身の倦怠感や動悸、めまいなどは、
内臓系の病気や精神的疾患が原因で起こることもあります。
たとえば・・・
糖尿病の初期 ・・・ 倦怠感、疲労感、口の渇き、頻尿などの症状
脳腫瘍 ・・・・・ めまい、耳鳴り、体のふらつきなど
がん ・・・・・・ 不眠、食欲不振、無気力感などの症状
といった症状が起きることがあります。
こういった重大な病気を見落とさないために、除外診断において様々な検査が行われます。
除外診断では、症状に応じて、心電図、脳波、レントゲン、超音波、MRI、
CTスキャン、尿検査、血液検査、内分泌検査、などが行われます。
また、うつ病、神経症、てんかん、統合失調症なども自律神経失調症と似ているので、
これらの精神障害と区別するための検査も行われます。
次回は、自律神経失調症の検査(3)自律神経機能検査 について詳しく紹介します。
カテゴリ:自律神経失調症の検査
前回は、自律神経失調症の診断(検査)2.除外診断 について紹介しました。
今回は(3)自律神経機能検査 についてくわしく説明します。
不調があっても検査で異常が見つからないのが自律神経失調症の特徴。
でも自律神経そのものの働きを調べる検査で、自律神経の状態がわかるケースがあります。それが、『自律神経機能検査』。
自律神経機能検査には、いくつかの種類があります。
症状にあわせていくつかの検査をして、判断しています。
ただし、自律神経失調症の場合、自律神経機能検査でかならず異常が見つかるとは
限らないので、その場合は、(4)心理テスト などで総合的に判断します。
では、主な自律神経機能検査について紹介します。
機能検査 : シュロング起立試験
まず、10分間以上静かに横たわった状態で血圧を測定し、次に、
立ち上がった状態で血圧を測って、その変化を調べるのがシュロング起立試験です。
血圧の変化によって、次のように診断されます。
◆血圧に大きな変化がない・・・
自律神経の機能は正常です。
◆立ち上がった時に血圧が大きく下がる・・・
自律神経機能に異常があり、めまいや立ちくらみなどの、起立性低血圧を起こしやすい。
(最高血圧で21mmHg以上も下がる、最低血圧で16mmHg以上も下がる。)
◆立ち上がった時に最高血圧が下がって、最低血圧が上がる・・・
手足の末端から心臓へ血液が戻るはたらき(静脈還流)が不十分な状態。
疲れやすい、脱力感、だるい、などの症状を起こしやすい。
機能検査 : 立位心電図
横になった状態で心電図をとり、次に、立った姿勢でもう一度心電図をとり、
その波形の変化で自律神経の状態を検査するのが、立位心電図。
健康な人は寝ていても立っていても、波形に大きな変化はありませんが、
自律神経が乱れていると、立ち上がった時に波形が乱れます。
これは、血管の運動神経や、心臓のはたらきを調整するチカラが弱いためです。
機能検査 : マイクロバイブレーション(MV)
体の表面に起こる微細な振動を「マイクロバイブレーション(MV)」といいます。
マイクロバイブレーションの振動数を測定・分析して、自律神経機能の状態を
検査するのが、マイクロバイブレーション(MV)です。
20℃〜25℃に室温を保った状態で横になって安静にします。
利き手と反対の手の親指に自然に起こる細かい振動を5分以上測って、
脳波形や心電図に連動っせて周波数を求め、コンピュータで分析します。
周波数の帯域によって、交感神経と副交感神経の緊張の度合いなどを調べます。
機能検査 : 心拍変動検査
心電図の一拍ごとの感覚をコンピュータで解析して、
交感神経と副交感神経とのバランスを検査するのが、心拍変動検査です。
ベッドに仰向けに寝た状態で3分間安静にした後、3分間心電図をとります。
基本的には心電図検査とほぼ同じです。
脈拍は、緊張すれば速くなり、リラックスすれば遅くなります。
脈拍を一拍ごとに検査して、この変化のもととなっている自律神経が
どのようにはたらいているかを継時的にチェックするのがこの方法です。
機能検査 : 皮膚紋画症
細い棒のような先端のとがったもので腕の内側などをこすって、
皮膚にあらわれる反応を見るのが皮膚紋画症の検査です。
自律神経が正常な人は、数秒後に白い筋が浮き上がって5〜10分もすれば消えますが、
自律神経が乱れている人は、こすった部分が赤くなったり(赤色皮膚紋画症)、
みみずばれのように腫れ上がって(浮腫皮膚紋画症)なかなか消えず、かゆみを感じる、
ということが起きてきます。
機能検査 : 鳥肌反応検査
首筋、うなじ、わきの下などに機械的または寒冷刺激を与えて、
皮膚の反応(鳥肌)を見る検査が、鳥肌反応検査。
反応が過敏な場合は、不安のために交感神経が緊張して立毛筋が収縮し、鳥肌が立ちます。この反応の強弱で自律神経の状態をチェックします。
機能検査 : 指尖容積脈波
人差し指と中指の腹の部分に現れる、微細な脈を調べる検査が指尖容積脈波。
不安や緊張で交感神経が緊張していると、通常よりも脈の変化が少なくなります。
機能検査 : 皮膚電気活動
人間の体がもつ「電気を通す性質」を利用した検査で、
手のひらや指の2点と電池をつないで、電気の流れの変化を調べる検査が皮膚電気活動。
不安や緊張で交感神経が緊張していると、変化が早くなります。
次回は、自律神経失調症の検査(4)心理テスト について詳しく紹介します。
カテゴリ:自律神経失調症の検査
前回は、自律神経失調症の診断(検査)3.自律神経機能検査 について紹介しました。
今回は(4)心理テスト についてくわしく説明します。
『除外診断』で、ほかの病気の有無を調べ、
『自律神経機能検査』で、自律神経そのものの働きを調べた後は、
『心理テスト』で、症状の背後にある心理的要因を調べていきます。
自律神経失調症の多くは、心理的な要因が深くかかわっていますので、
その心理的要因を探ることが診断や治療のおいて重要となってきます。
基本は面接や問診ですが、同時に質問表に記入してもらうケースがほとんど。
質問表には、体の状態だけでなく、心理状態についても記入します。
心理テストには、性格的特性をみるもの、行動特性パターンをみるもの、
神経症傾向をみるもの、ストレス耐性をみるもの、などさまざま。
では、さまざまな心理テストについて、紹介していきます。
TMI:東邦メディカルインデックス
〜身体面と精神面の自律神経症状を調べる心理テスト〜
この心理テストは、身体面・精神面それぞれ、全質問項目を別ページで紹介しています。
そちらをご参照ください。
SCL:ストレス・チェックリスト
〜ストレス状態を調べる心理テスト〜
この心理テストも、全質問項目を別ページで紹介しています。
そちらをご参照ください。
STCL:ストレス耐性チェックリスト
〜ストレス耐性度を調べる心理テスト〜
この心理テストも、全質問項目を別ページで紹介しています。
そちらをご参照ください。
CMI (コーネル・メディカル・インデックス)
〜心理全般の健康を調べる心理テスト〜
CMIは、アメリカのコーネル大学で開発された、心理・性格テスト。
全204項目の質問によって、心身全般をチェックします。
◆身体的自覚症状に関する質問 ・・・ 132項目
「目・耳」、「呼吸器系」、「心臓血管系」、など。
◆精神的自覚症状に関する質問 ・・・ 51項目
「不適応」、「不安」、「緊張」、など。
◆既往症を問う質問 ・・・ 15項目
◆行動や習慣に関する質問 ・・・ 6項目
もともとは、神経症の傾向をみるために開発されたものですが、
自律神経失調症の診断にもよく用いられます。
心の質問だけでなく、体の質問も含まれる「心身全般」のチェックなので、
心理テストに抵抗のある人にも受けいられやすくなっています。
Y−G性格検査 (矢田部・ギルフォード性格検査)
〜ストレス耐性や性格傾向を調べる心理テスト〜
アメリカのギルフォード博士らが作成した性格テストを、
矢田部氏らが日本人向けに改定したもの。
社会適応性、性格安定度、活動性、社会的な外向性・内向性などを調べることで、
社会的ストレスに対する耐性度や性格の傾向を知るための検査です。
MAS(顕在性不安尺度)
〜不安や恐怖の程度を調べる心理テスト〜
日常生活の中で、不安や恐怖をどの程度感じるかを調べる検査。
簡単に不安状態を調べることができるので、神経症型自律神経失調症かどうか、
このテストでわかる場合があります。
INV 〜気質を調べる心理テスト〜
クレッチマーの精神学的性格分類を基に考案された検査。
循環気質、分裂気質、粘着気質、神経質、ヒステリー気質などを調べます。
これらの要素の多い人は、自律神経失調症になりやすいをいわれています。
MMPI(ミネソタ多面的性格検査) 〜人格傾向を調べる心理テスト〜
ミネソタ大学で開発されたテスト。
心気傾向、抑うつ傾向、ヒステリー傾向があるかどうか、社会的か非社会的か、
男性度・女性度などを調べて、多面的に人格を判断するテストです。
エゴグラム 〜エゴ(自我)の状態を調べる心理テスト〜
交流分析を基にした心理テストで、
対人交流パターンを調べることによって、自我の状態を知るもの。
※交流分析はあらためて詳しくご紹介します。
人間の心の中には、
1.批判的な親
2.養育的な親
3.大人
4.自由奔放な子供
5.順応した子供
の5つの面があると考えて、その中のどのパターンをとる傾向が強いのか、を
調べることで生き方に対する態度を判断するものです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
自律神経失調症の検査について説明してきました。
次回からは、自律神経失調症の治療について紹介します。
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